「もっと稼がないと」
「また大金が必要になっちゃうから」
「今月はいつもより多めに必要で」
まみからのLINEは大体こんな発言が多かった
改めてやりとりを見返すと毎月お金が必要なのはまだましとして”今月はいつもより多めに必要で”の意味がわからん
まみの借金は返せば返すほど、月を追うごとに増えていくという不思議システムのようだった
そんな中、今までとは違う角度のLINEがきた
「出稼ぎも考えているの」
、、、出稼ぎ?
その時はまだ業界のことを何もしらない業界偏差値30の私は出稼ぎというものがなんなのかわからなかった
「出稼ぎってなんだろ」
おれは本当にピンときていなかった
「地方にいってそういうお店で働くの、お金がいいから」
それを聞いた俺はてっきり半年、もしくは年単位で出稼ぎにいくのかと思っていた
それから少ししてまみは出稼ぎにいくのだがそれはまた次回くらいで
そんなこんなでまみから業界の話を聞くのだが風俗業界の給与システムで当時衝撃を受けたのは完全歩合というところであった
保証がある店もあることはあるのだろうが基本時給はなし
当然時給はつくものだと思っていたため客を相手にしてなんぼの世界
10時間入って何人も回転させて毎日毎日確定で5万、10万と稼げるならまだいい
しかし例えば10時間出勤して1人しかつかなかった時のバックを考えると割りにあわない
これは今でも思う
相手する人数をこなす代わりに対価として普通の仕事では稼げないようなお金を1日で稼げる
しかし1人しか客がつかなかった場合、身体を売った対価が数千円の時もある
コロナ禍真っ只中の時はそういう女の子を多かっただろう
待機中のまみとLINEをしながら
「今日も1人しかつかんかった」
「6時間ずっと待機、、」
いつの間にか”身体を売ること”ではなく”稼げないこと”に嘆くことが多くなっていった
風俗をすることにまみが慣れていっている
それが日々俺のメンタルを搾り取っていった
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