せくきゃば編4

 

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2020年6月後半

まみから風俗で働くことを考えていることを仄めかすLINEが入る

「やっぱり考えている、めちゃくちゃ悩んでいる」

「収入もなくなって」

まみの出勤ペース、せくきゃばの時給や指名料を考えても月でそこまで稼いでいたわけでは恐らくない

本人がバイトでもしていけば月これくらいあれば足りるだろうという自分の算段で

 

 

「20万出すから受け取って欲しい、代わりに落ち着いたらご飯でも奢って」

「ただし受け取る以上絶対に風俗には行かないって約束して」

そういって俺は初めてまみにお金を提示した

まみは「いいのかな」といいつつも拒むことなく話は進み振込先の口座の写真が送られてきた

今まで1日1往復のラリーだったLINEがこの日初めて1日数件のやり取りとなった

 

 

お金を振り込んで数日後、

「実は後3日以内に20万円用意しないといけない」

まみからそうLINEがきた

意味が分からなかった

 

 

20万円を振り込んで2、3日後にさらに20万円必要?

せくきゃばでまともに稼ぎがなくなったからと思いお金を渡したが、1月内、それも数日で40万円ものお金が必要となるとコロナ前のせくきゃばの時でも到底間に合う金額ではない

「こんなこと言ってごめんね」

「でも頼れるのもあなただけだから話してる」

「間に合わないとだめなんだ」

直接お金を要求する言葉は無かったが、お金が必要だということを示唆する文章ばかりが送られてきた

 

 

 

きっと直接的な言葉でお金を要求するのは気がひけるのだろう

せくきゃばにも身体目当てで通わず、一切手をださずプライベートな会話も増えていっていた

まみも少しづつ心を許してくれていって、本当に他に相談できる人、頼れる人がいないんだろう

俺は当時本気でそう思っていた。どこまで愚かなのか

しかししかし愚かでありながらも2、3ヶ月の間だけ月に20〜30万円くらいの予定でいたためこのペースで40万円となるとこれ以上は手に負えないと思い、まみからの言葉に肩をよせつつも話題を変える文章を返していった

 

 

気が付くといつの間にかまたお金の話になっていた

なんという策士

 

 

いくら言われてももうこれ以上のお金は出せない

ここでお金を出すと沼へ突入

まみからするとカモがネギをしょってきたどころの話ではない

LINEを送るだけで諭吉が降り注いでくるという確変状態

 

 

いっそのことこれ以上のLINEを無視するべきだ、そうだそうしよう

遊びに行ったことがある訳でもない、フルネームだってお金を振り込む時に知った

そもそも俺がやる必要も義理も道理もない

無視はできないとしてもきっぱり断ろうそうしよう

そう決めて俺はLINEを送った

 

 

 

「20万、どうにかするよ」

 

 

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